朗読するときの表現方法を考える手順

緩急

2015年作成記事「朗読での間(ま)と緩急でこれだけ変わる」を改変しました(2017.8.3)
文章を読んで、どんなふうに朗読していくのか、表現していくのか、
その手順を音声も交えながら解説します。

今回の川端康成作「雪国」の冒頭部分を使って解説していきます。

雪国 川端康成

「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった」

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読み始める前に文章の区切りを考える

文章を声に出して読む前には、準備が必要です。
それは、文章の意味を考えることと、区切る位置を考えることです。

朗読をする上では、文章の意味を考える(意味のまとまりを考える)というのはとても重要です。
だって、意味がわからなければ、正しく文章を伝えることはできませんものね。

この文章は読点(、)がないですね。一息で読むとわかりづらいかもしれません。

読点(、)を追加してみましょう。

「国境の、長いトンネルを抜けると、雪国であった」

「国境の長いトンネルを抜けると、雪国であった」

どちらがいいでしょう。

読点(、)を追加する位置は、あくまで意味の塊で考えます。

そうすると

「国境の長いトンネルを抜けると、雪国であった」

がふさわしいでしょうか。

 

 

文章から情景を想像し、表現する

下準備ができたら、今度は想像する作業です。

例文を読んで、みなさんはどんな風景を思い浮かべますか?

トンネルは長いですか?短いですか?
電車のスピードは速い、遅い?
トンネルの中の明るさは?雪景色の明るさは?

などなど、

想像するのは楽しいですね。

想像したら今度はそれを表現します。

距離感を表現するときには、間(ま)を使う

トンネルが長いこと(または短いこと)を表現するときに間(ま)を使います。

次の音声を聞いてみてください。2種類の音声が入っています。

一つ目は間(ま)が短いパターンです。

トンネルが短い感じがしませんか?

2つ目は間(ま)が長いパターンです。

先ほどよりトンネルが長いように伝えられます。

今度は電車のスピードを表現してみましょう。

スピード感を表現するには緩急を使う

電車はゆっくりでしょうか。速いでしょうか。
スピード感を表現するときは、緩急を使います。

次の音声を聞いてください。今回も2種類入っています。

1つ目は速く、2つ目はゆっくり読んでいます。

どうですか?印象が違ってきますよね。

間を長くしたり、短くしたり、
速く言ったり、ゆっくり言ったりするだけでこれだけ聞き手に伝わるイメージが違うものなのですね。

 

まとめ

まず意味のまとまりを考え区切る位置を決める。

それからイメージを膨らませましょう。。

イメージができたらそれを表現していきます。

間(ま)を使うと、距離感を表現できます。

緩急を使うと、スピード感を表現できます。

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