もっと抑揚をつけて、言われるけど、どうすればいいかわからない、という方もいらっしゃるかと思います。
「抑揚」という言葉の定義は
朗読の勉強でよく使う用語解説(1)
で紹介しています。
「抑揚」とだけ言えば、解釈がかなり広くなりますが、今回は「間(ま)」「緩急」「高低」「強弱」を使えば、どう印象が変わるかを紹介します。
今日の題材です。
するとその瞬間である。窓から半身を乗り出してゐた例の娘が、あの霜焼けの手をつとのばして、勢よく左右に振つたと思ふと、忽ち心を躍らすばかり暖な日の色に染まつてゐる蜜柑が凡そ五つ六つ、汽車を見送つた子供たちの上へばらばらと空から降つて来た。
「蜜柑」芥川龍之介
間(ま)の長さを変えてみる
まずは、間(ま)だけを工夫した読んだ音声をお聞きください。
句点(。)のあと、読点(、)のあとの長さを短くしたり、長くしたりしています。
ポイントは、「長い」「短い」が相手に伝わらないといけないません。従って、相手に伝わるぐらいに極端に長さを変える、ということです。
どこで間(ま)をあければいいのか、詳しい説明は
朗読での間(ま)のあけかた応用3選
朗読での間(ま)の使い方基本4選
で紹介しています。
音の高さを変えてみる
今度は、音の入り方を「高く」「低く」している読み方の音声です。
意味の切れ目で高く、あるいは低くなどをしています。
これも「相手に伝わるぐらいの高低」が必要です。
しかしこの読み方をするときは、自分のリズムではなく、文の意味を良く考えて「高く」「低く」を設定する必要があります。
速さを変えてみる
今度は緩急をつけた読み方です。
ポイントは、、、、一緒ですね。
相手に伝わるぐらいに「速い」「遅い」をつける必要があります。
強弱をつけてみる
今度は、少しイメージがちがうかもしれません。
強弱を意識した読み方です。
今回は、全体が強いイメージになってしまいましたが、それぞれの単語に「強い」を置いてみました。
「強い」「弱い」これも、相手に伝わるぐらいにしないといけません。
まとめ
「間(ま)」「緩急」「強弱」「高低」と別々で紹介しましたが、実際にはこれらをミックスして「抑揚」をつけることになります。
練習する時は「間(ま)の工夫はできているから、高低も追加してみよう」とか
「高低はできているから、緩急を追加してみよう」など
一つずつ表現を追加してくといいと思います。
また、「相手にわかるぐらいに表現する」ということを意識することも大事ですね。
案外「自分では緩急をつけているつもりなのに、相手には伝わっていない」ということがよくあります。
録音してみるとよくわかるので、練習する時は「録音」をおすすめします。
ぜひためしてみてください!
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