「朗読を上手に読みたい」「わかりやすく読みたい」「表現豊かによみたい」などなど読み手の思いが強ければ強いほど、読むことに一生懸命になりがちです。
「伝えたい」思いが強いがゆえに、すべての言葉が強調されてしまったりします。
また、間(ま)や緩急、抑揚など全部考えながらやっているのに、なんとなく「いまひとつ」と感じる場合も、全部が同じ強さで読んでしまっているのかもしれません。
朗読でよく出てくる用語(2)
今日は、力を抜くとどういう効果があるのかを見てみましょう。
本日の題材です。
吾輩は猫である。名前はまだ無い。
「吾輩は猫である」夏目漱石
まず音声をお聞きください。
間(ま)や緩急も使って読んでいますが、どの言葉も同じ力の入れ具合です。
力を抜くとは
では、一部分を力を抜いて読んでみます。
いかがでしょう。自然な感じがするのと、聞いていて疲れない、また、立てたい言葉が強調しやすくなります。
私は「吾輩は猫である。名前はまだ無い。」の文章だと「猫」だということは強調したいけれども「名前はまだない」というのは、それほど重要ではない、と思ったので、「名前はまだない」を力を抜いて読みました。
「名前はまだない」ことを強調したい人は、また読み方は変わってきます。
しかし、「猫」であることもいいたいし、「名前がない」ことも言いたい、となってしまうと、結局全部が同じ強さになってしまいますね。
そうなった場合は、「である」「まだ」などを力を抜いて読む、など、細かいところで変化をつけるようにしましょう。
しっかり読む・軽く読む
力を抜く、というのがイメージしにくい場合、違う表現で例えるなら「ここは軽く読む」とか「ここは捨てる」とかの表現でも効果は同じです。
強く読む・弱く読む
力を抜く、がわかりにくい場合は、強く読むところ、弱く読むところ、という考え方でもいいと思います。
まとめ
朗読を表現豊かにするために、対比(比較)が必要です。
速い・遅いや強い・弱いなどですね。
対比するには、極端な方が変化がわかりやすいです。
しっかり読む、力を抜く、これも極端にやったほうがより効果的です。
ぜひ試してみてください。
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