朗読で「しゃくる」癖を直すコツ

朗読

朗読を勉強し始めるときに、苦労する事のひとつが「読み方の癖を直す」ということです。
癖については、朗読の助詞上げのくせを直すコツでも取り上げています。

助詞上げ以外にどんな癖があるのでしょうか。

「節(ふし)読み」とは
すべての言葉に同じ様な力が入り、イントネーションの小山がいくつもできるイメージ
「うねり」とは
「大きなフクロウが」までに音程が下がりきってしまい、「止まっていました」を苦し紛れにぐっと持ち上げるような読み方
「しゃくり」とは
単語の2音目は、とかくしゃくったようにぐいっと上がりがちなので注意しましょう
「子供を夢中にさせる魔法の朗読法 NHKアナウンサーに教わる読み聞かせのコツ」 著者:山田敦子 村上里和 45ページより引用

「節読み」や「うねり」については、
朗読で「まっすぐ読む」とはで、解決策のヒントを紹介しています。

今日は「しゃくり」の癖を直す方法を考えてみましょう。

本日の題材です。

 親譲ゆずりの無鉄砲で小供の時から損ばかりしている。小学校に居る時分学校の二階から飛び降りて一週間ほど腰を抜かした事がある。
「坊ちゃん」夏目漱石

まずは、しゃくりの癖のある音声をお聞きください。

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しゃくりの原因

しゃくり(2音目)が持ちあがてしまう原因は、その言葉を強調しようとして、1音目ではなく、2音目に力が入ってしまうからです。
または、1音目と2音目の高低差をつけようとして、2音目が不自然にあがってしまうためと思われます。
先程の音声をもう一度お聞きください。
「ばかり」を強調しようとして「ば」ではなく「か」が強調されています。
同じように「二階」の「か」、「飛び降りて」に「び」、「腰」の「し」、「抜かした」の「か」なども同様です。

意味のまとまりを考える

読むときには、いつも意味のまとまりを考えます。

例えば、「腰を抜かしたことがある」
先程は、「腰」の「し」、「抜かした」の「か」、が上がっていました。
しかし、意味のまとまりで考えると「腰を抜かしたことがある」まではひとつのまとまりです。
ということは、「腰」の「し」が強くなってしまったとしても、「ぬかした」の「か」が上がってしまう事は、ないはずなのです。
同様に「二階から飛び降りて」
これは、ひとつのまとまりと考えるか、「飛び降りた」ことを強調したい、と思うのであれば、離して考えてもいいと思います。

意味のまとまりの1音目を意識する

強調したい単語の1音目を意識して読みましょう。

1音目を強くした音声をお聞きください。


今は、癖を直す練習なので、上記の読み方を朗読にそのまま生かすわけにはいきませんが、このような読み方の練習をしていくと、癖も直っていくと思います。

まとめ

助詞あげの癖を直す場合も、まとまりで考えましょう、と書きました。
しゃくりも同じです。
言葉はすべて、まとまりでひとつです。
まとまりで考えれば途中の2音目だけが強調されることはないと思います。
一つの単語を○を囲むなど、いつでも、まとまりを意識しながら読みましょう。

ぜひ試してみてください。

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