こんにちは!
朗読のコツを紹介している朗読講師のさとうです。
朗読では地の文、セリフの文があります。
みなさんはセリフって好きですか?
セリフが好き!という方と、セリフは苦手、という方に分かれるかもしれませんね。
ちなみに私はセリフは苦手です(^^;
セリフでは、登場人物の喜怒哀楽が表現されています。
それを、いかに「わざとらしくなく」「読み手の感情を聞き手に押し付けずに」「聞き手に想像」してもらうように読むか、というのは非常に難しいものですね。
そこで、今日はセリフを読むときのちょっとしたコツを紹介します。
本日の題材です。
「お前は何を考えているのだ。」と、横柄に言葉をかけました。
(中略)
「ほんとうですか。」
杜子春は驚いて、伏せていた眼を挙げました。
「杜子春」芥川龍之介
語尾を「上げる」「下げる」「伸ばす」
まず、「お前は何を考えているのだ」という言葉だけに注目してみます。
(横柄に~、と続く文章は今回は考えません)
「いるのだ」の「だ」を上げてみる、下げてみる、少し伸ばしてみる、などの変化をつけるだけでも印象が違ってきます。
では「だ」だけ、読み方を変えた音声をお聞きください。3つ音声が続きます。
「だ」を上げると、相手の答えを聞きたい、とか、やさしさ、などが表現できます。
下げると、断定や相手を責めるような表現
「だ」を少し短めで上げると、イライラした感じなどが表現できますね。
杜子春のこの場面では、セリフの後に「横柄に言葉をかけた」と続くので、やさしさの雰囲気(上げる調子)を出すと違和感がありますね。
緩急を使う
緩急を使いこなすことは、朗読のどんな場合でも、一番効果的に表現することができます。
セリフでも同じです。
3つの音声をお聞きください。
速く、遅く、速い部分遅い部分の組み合わせです。
「おまえは何を考えているのだ」が
速く言うと、責めている、怒っている感じ
遅く言うと、心配している感じ
混ぜると、あきれている感じ、などを表現できます。
語尾の上げ下げ、緩急をまぜて使う
では、語尾の調子や緩急をまぜたいろいろなパターンの「ほんとうですか」をお聞きください。4つ音声が続きます。
いかがですか?一つの言葉でも読み方によって感じ方が違ってきますよね。
杜子春では「ほんとうですか」のあとに「驚いて」と文章が続きますので、速く読むのが驚いた雰囲気を出せますね。
まとめ
セリフを読むときは
「語尾を上げたり、下げたり」
「速く読んだり、遅く読んだり」
など、いろいろなパターンを試してみてください。
上記ができるようになったら、そこに「間(ま)」を入れるともっと表現の幅が広がります。
先ほどの「ほんとうですか」も間(ま)を大きく開けてからゆっくり読むと、ただ速く読むよりも、さらに心底驚いた、という雰囲気が出せますね。
いろいろな読み方を試してみてセリフを楽しんでみてください!
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