朗読の表現の幅を広げる読み方のコツ

朗読

朗読で表現力といえば「間(ま)」「緩急」「抑揚」「プロミネンス」などです。
間(ま)も緩急も使っているけど、何かもの足りない、と思う事があります。
そんなときは、声の表現を変えてみると、グッと印象が変わりますよ。

では、本日の題材です。
二人の若い紳士が、すっかりイギリスの兵隊のかたちをして、ぴかぴかする鉄砲をかついで、白熊のような犬を二疋つれて、だいぶ山奥の、木の葉のかさかさしたとこを、こんなことを云いながら、あるいておりました。
「注文の多い料理店」宮沢賢治

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「明」「暗」「硬」「軟」を表現する

まずは、間(ま)、緩急だけの朗読例をお聞きください。

ちょっとあっさりしています。

では次に、「明」「暗」「硬」「軟」をつけた音声をお聞きください。

今回は極端にしていますので、下手をすると「クサイ」「クドイ」感じに聞こえるかもしれませんが、印象は変わったと思います。

考え方です。
一つずつ言葉を点検し、それぞれの言葉がどういうイメージを伝えようとしているのかを想像します。
今回は以下のように考えてみました。

(軟)二人の若い紳士が、すっかり(硬)イギリスの兵隊のかたちをして、(明)ぴかぴかする(硬)鉄砲をかついで、(軟)白熊のような犬を二疋つれて、(暗)だいぶ山奥の、(硬)木の葉のかさかさしたとこを、(軟)こんなことを云いながら、(硬)あるいておりました。

どこをどう表現するかは、人ぞれぞれだと思いますが、このように考える、という癖をつけておくと、表現の幅が広がると思います。

「明」「軟」の読み分け

明るい、と、軟らかいはなんとなく似ていますね。読み分けるのは難しいかもしれません。
「速く」「高く」「高低差をつける」というふうにすると明るく聞こえます。
【初心者向】明るい読み方、落ち着いた読み方のコツ
軟らかく、というのは、少し息の量を増やすと、軟らかく聞こえます。

「暗」「硬」の読み分け

「明」「軟」の逆をすれば、「暗」「硬」の表現ができます。
暗くするには、「ゆっくり」「低く」「高低差がない」
硬くするには、息の量を少なくする(声がしっかり出るイメージ)

まとめ

間(ま)、緩急、プロミネンスにプラスして「明」「暗」「硬」「軟」が表現できれば、今よりもっと朗読の表現の幅が広がります。

ぜひ試してみてください。

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