こんにちは!
朗読のコツを紹介している朗読講師のさとうです。
朗読するときは「情景が浮かぶように読みたい」とか「迫力ある場面はその場面が伝わるように読みたい」ものですね。
そんなときに使う朗読表現は間(ま)と緩急です。
緩急については、過去記事の
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などなど、たくさん紹介しています。
緩急をうまくつかえば、「読んでいる朗読」ではなく「自然な朗読」にすることもできます。
緩急は万能の表現方法です!
今日は、そんな緩急の使い方を詳しく紹介していきます。
題材です。
こうして叱られると子供ははじめて、自分がよくない行いをしたことがわかるのである。そこで、ランプを持出した東一君はもちろんのこと、何も持出さなかった近所の子供たちも、自分たちみんなで悪いことをしたような顔をして、すごすごと外の道へ出ていった。
「おじいさんのランプ」新美南吉
まずは、緩急を全く使っていない音声をお聞きください。
多少、声の高低を使ったとしても、単調な感じがします。
今度は、緩急を入れた音声をお聞きください。
緩急を入れると、臨場感がでますね。
では、具体的にどんなところに緩急を使うのかをみていきましょう。
動作のスピードに合わせて、緩急を使う
一番簡単に緩急をつける部分は、文の内容の動作が速いかおそいかを想像します。
今回の例の場合、「すごすごと外の道へ出ていった」
「すごすご」という動作は、ゆっくりかもしれない、と思えば、ゆっくり読む。
速い動作だと思えば、速く読む。
接続詞は緩急を使う
接続詞に緩急をつかうと、ぐっと朗読のイメージが変わります。
今回の場合は「そこで」
速く読む、遅く読む、などいろいろな読み方を試してみてください。
「速い」「遅い」はワンセットで使う
スピードが変わった、ということを感じさせるためには、極端でないと相手には伝わりません。
普通のスピードのあとに、「ゆっくり」が来ても、「ゆっくりだ」ということがわかりずらく、効果を発揮する事はできません。
「速い」の次に「ゆっくり」が来れば、「ゆっくりになった」ということがわかるのです。
逆も同じです。
「ゆっくり」のあとに「速い」がくれば、「速くなった」ということがわかります。
今回の場合「すごすご」という言葉をゆっくり読みたい、と思った場合は、その前後「ような顔をして」や「外の道へ」を速く読みます。そうすれば「すごすご」がゆっくりになった、ということがはっきりわかります。
ひとつの単語の中で、緩急を使う
単語単位で、速い、遅いができるようになれば、単語の中でもさらに緩急を使うも意識してみましょう。
今回の場合だと「叱られる」
「しか」は普通のスピードで、「られる」が速く言います。
「し・か・ら・れ・る」を一文字ずつ同じ速さで読む読み方と
「られる」だけを速く読む読み方を録音して比較してみてください。
聞こえてくるイメージが違うと思います。
難しいように感じますが、実は、単語の中で緩急を使う、というのは普段の私たちの会話の中で、使っているのです。
まとめ
文の動作に合わせて、速く読む、遅く読む
「そして」「しかし」などの接続詞を速く読む、遅く読む
速い遅いはワンセットで使う
単語の中の一部分も速いところを使う
緩急を使えば、躍動感あふれる自然な朗読をすることができるようになります。
ぜひいろいろ試してみてください。
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