朗読で「」かぎかっこの中の読み方

こんにちは!
朗読のコツを紹介しているさとうです。

朗読では地の文とセリフがあります。
セリフは、みなさん、どれぐらい感情を込められていますか?

あんまりやりすぎるとお芝居になるし、
感情表現が少なすぎると、なんだか盛り上がらないし、、、

など、悩ましい問題です。

関連記事
朗読でどの程度まで感情を込めるか

今日は感情表現以前に、「」で表記されている部分を、どう読むか、を考えてみたいと思います。
※一人称の作品、三人称の作品によっても解釈は変わってきます。
今回は三人称の作品の場合で取り上げています。

(1)
(1-1)「ごん狐」という狐がいました
(1-2)「兵十ひょうじゅうだな」と、ごんは思いました。
(1-3)「うわアぬすと狐め」と、どなりたてました。

(2)
「そうそう、なあ加助」と、兵十がいいました。
「ああん?」
「おれあ、このごろ、とてもふしぎなことがあるんだ」
「何が?」

「ごん狐」新美南吉

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「」の意味を考える

作品の中では「」の使い方は、大きく分けて、上記4つぐらいかと思います。

(1-1)
言葉を区切る、あるいは、単語をはっきりさせるために「」で表現
例文の場合だと、「ごん狐」をいう言葉をはっきりさせたい、明確にしたいという意図での「」と思われます。

(1-2)
口に出しているのではなく、心の中で思ったこと、心の中で考えたことを「」で表現
例文は「」で書かれていますが、作品によっては( )で書かれていたり、
または、「」も( )もなく、地の文と同じように書かれていることもあります。

(1-3)
聞こえてきた声、として「」で表現

(2)
これは会話、ですね。
あきらかに誰かと誰かが声をだして会話している場面です。

「」の中を、地の文のように読むか、セリフとして読むか

(1-1)は、明らかにセリフではないので、地の文として読みますよね。
ただ、強調したい、という思いは出てきてしまいます。

強調したいからといって、不自然になってしまうのもよくないです。
自然に強調(印象づける)できればいいですね。

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(1-2)は、心の声です。
セリフとして読んでも、地の文として読んでも構わないと思います。

普段の生活を思い浮かべてみてください。
心の中で考えたことってそんなに抑揚がついているでしょうか。

迷ったときは、いつでも「普段なら・・」と日常を思い浮かべるとヒントになりますよ。

(1-3)は聞こえてきた声です。
それを再現するなら、セリフとして読む、ということになるでしょうか。

(2)は会話ですから、セリフとして読む、ですね。

「」の雰囲気まで伝えたいときはセリフとして読む

では、次のような作品だったらどうでしょうか。

彼の舞台を見た役者達までも、「(略)所詮しょせん物真似ものまね狂言は都のものと極わまった」と、勝誇るように云い振れた。(略)
藤十郎の耳に入ると、彼は眉まゆを顰ひそめながら、「(略)われらには、怖おそろしい大敵じゃ」と、只一人世評を斥しりぞけたのであった。
「藤十郎の恋」 菊池寛

口に出している言葉なので、セリフのようにも思いますが、「そういっていた」という伝聞のようにもとれます。
そうすると、この「」の中はセリフとして読んでも、地の文として読んでもいいと思います。
その場の雰囲気も伝えたいなら、セリフとして読む、でしょうか。

まとめ

作品によって、文章によってセリフとして読んでも地の文として読んでもいいのです。

大切なことは
「」の中の言葉は、必ずセリフとして読まないといけない、わけではない。ということです。

状況に応じ、
「」に書かれている言葉が発せられた雰囲気まで伝えたい、と思えばセリフとして読む。
「」に書かれている言葉をそのまま伝えたい、と思いえば地の文として読む。
など、いろいろためしてみてくださいね!

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