2015年作成記事「朗読でのセリフを表現するときコツ」を改変しました(2017.8.3)
朗読には地の文とセリフの文があります。
セリフに関しては、どの程度表現するのかなど悩みがつきないものです。
今日はセリフで距離感を表現するコツを解説します。
セリフ部分を抜粋して、会話する人物の距離感を表現してみましょう。
さて、本日の題材です。たった一言のセリフです。
「こいさん、頼むわ。――」
細雪 谷崎潤一郎
セリフの人物の立ち位置を想像する
誰かに呼びかけているセリフは、呼びかけている人と、呼びかけられている人が、どれぐらい離れているかを想像します。
この文章の場合は、どうでしょう。
これだけでは、距離感はわかりませんね。
では、続きの文章を見てみましょう。
鏡の中で、廊下からうしろへはいって来た妙子を見ると、
と、続きます。
後ろに入ってきて、鏡に映るぐらいの距離です。
そうすると、2人の位置関係は、すぐうしろ、ぐらいでしょうか。
そこまで想像できれば、次は表現してみましょう。
「近い距離」「離れた距離」を声で表現する
2種類音声が続きます。
(細雪は大阪船場が舞台です。なのでセリフは関西弁で読んでいます)
一つ目は普通の声の高さ、2つ目は高めの声です。
声が高いほうが、少し遠くにいるように聞こえませんか。
さらに、語尾を伸ばしてみるとどう変わるか試してみましょう。
1つ目は語尾を短め、2つ目は語尾を伸ばした音声です。
印象がかわりますよね。
セリフなどを読むときは、まず自分の普段の生活を思い浮かべてみましょう。
例えば、忘れ物をした家族を追いかけるとき、どれぐらいの声の高さ、語尾の長さに
なるでしょう。
忘れ物した家族が、だいぶ先までいっていしまっているとき。
手を伸ばせば届くぐらいの距離にいるとき。
どうでしょう。言い方は違っていますよね。
朗読では、普段の生活の言い方を活用することができるんですね。
そう思えば日常生活のすべてが朗読の勉強に役立つ、ということです。
まとめ
呼びかける人が遠くにいるときは、声を高く、語尾を伸ばし気味。
近くにいるときは、普通の声の高さで、語尾を伸ばさない。
セリフも地の文も、読もうとせずに、普段どんな風にしゃべっているか、を意識したほうが案外うまく読める場合もあります。
ぜひ試してみてください!
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